10期40年にわたって村政を主導した大分県姫島村の藤本昭夫村長(81)が25日、任期満了を迎えた。村役場での退任式で「これからは一村民として村政の振興のために頑張っていきたい」とあいさつし、村職員や幼稚園児らに見送られた。

 藤本村長は1984年、7期連続無投票で村長を務めた父・熊雄氏の急死を受けて立候補し初当選。熊雄氏が就任した60年から、親子2代の「藤本村政」は64年間に及んだ。

 退任式では医療の充実やインフラ整備、車エビの養殖、村役場の移転などの実績を振り返った。「一番の心残り」として沿岸漁業の衰退を挙げ、人口の減少とともに「今からの村政の課題」などと語った。

 「求心力がなくなる」と「平成の大合併」に加わらなかった思いにも言及。「いずれは合併ということになるかもしれないが、それまでは持ちこたえるようにお願いしたい」と述べた。(貞松慎二郎)

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